本章では、JavaScriptの繰り返し文、for文について解説するよ!
初めての方は、まずこちらからお読みください。
本章では、JavaScriptの繰り返し文、for文について学びます。
繰り返し文とは、同じ処理を繰り返すための文です。プログラミングでは頻繁に使います。
本題に入る前に、繰り返し文を理解するためにこちらを確認しておきましょう。
- 繰り返し文とは、同じ処理を繰り返すための文
- 繰り返し文は効率よくプログラミングするために使う
- JavaScriptの繰り返し文の一つで、for文がある
- for文は、決まった回数だけ処理を実行したいときに使用する
JavaScriptの繰り返し文を一緒に学ぼう!
目次
サンプルコードをダウンロードしよう
次のリンクから、サンプルコードをダウンロードしてください。
参考 サンプルコードJavaScript入門サンプルコードをテキストエディタで開いてみよう
「Visual Studio Code」から、先ほどダウンロードしたファイルから「006 繰り返し文」を選択して開いてみましょう。
開くと次のような画面になります。
サンプルコードをChromeで開いてみよう
サンプルコードの「スタート」の「index.html」をChromeで開いてみましょう。
繰り返し文ってなに
繰り返し文とは、同じ処理を繰り返すため の文です。
繰り返し文は、ある条件を満たす間は処理を繰り返す という性質があります。
例えば、メールを100人分送る必要があるとします。
プログラムの中にメールを送る処理を100個書くのは効率がよくありませんね。
ですので、「メールを送る」という処理は1つだけ書いて、それを100人分だけ実行させてあげればいいのです。
その際に、「条件」と「繰り返しで使う処理」をプログラムに教えてあげます。
条件 | 繰り返しで使う処理 |
100人分 | メールを送る |
この繰り返す処理のことを「loop(ループ)」と呼びます。
流れが輪のようなので、英語ではloop(輪)を意味しています。
何のために繰り返し文があるの?
プログラミングでは、同じ処理を行うために同じコードを何度も書くことはありません。
その代わりに、繰り返し文を使って同じ処理を共通化させます。
なぜなら、一つのコードで同じ処理を行うことで 効率よく行うことができるから です。
for文
JavaScriptのループ処理には、「for文(フォー文)」を使うことができます。
for文は、決まった回数だけ 処理を実行したいときに使用します。
先ほど話した通り、プログラムには繰り返しする「条件」と「繰り返しで使う処理」を教えてあげる必要があります。
書き方を見てみましょう。
for文の書き方
for文のフォーマットは次のようになります。
for (初期化式; 条件; 増分式) {
繰り返しで使う処理
}
これだけだと、イメージがしづらいですね。
実際に、コードを見てみましょう。
次のコードは、コンソールに10回「こんにちは」を出力しています。
for (let i = 0; i < 10; i += 1) {
console.log("こんにちは")
}
一つずつ分解すると、次のようになります。
宣言文 | 初期化式 | 条件 | 増分式 |
for | let i = 0; | i < 10; | i += 1 |
では、for文がどのような流れで実行されているのか見てみましょう。
for文の流れ
for文は次のような流れで実行されています。
- 「初期化式」が実行される (
let i = 0;
) - 「条件」の結果が「true」なら次に進む。「false」なら終了する (
i < 10;
) - ブロック内の処理を実行する
- 「増分式」が実行されて、初期化した変数の値が更新される (
i += 1
) - ステップ2に戻る
「初期化式」では、「i
」という変数を作っています。
そして、「条件」で比較演算子を使って i < 10
という式を評価しています。
この条件が満たされたら次のステップに進みます。
もし、条件が満たされなければfor文の処理は終了します。
つまり、変数「i」が10より少ない間は処理が繰り返される ということです。
では、その変数はどこで増えているのでしょうか。
それは、ステップ4の「増分式」です。
「増分式」で、i += 1
という式を実行して変数の値を更新しています。
「+=」は、次のコードを省略した書き方です。
let i = 0
i = i + 1
既存の変数の値に1を足しているのです。変数には、1が足されて「1」が入りますね。
これを「+=
」使って省略すると次のように書くことができます。
let i = 0
i += 1
足し算と代入を簡略化した書き方になります。それ以外にも次のような演算子で短く書くことができます。
演算子 | 意味 | 例 | 元の書き方 |
+= | 右辺を左辺に足して代入する | a += 1 | a = a + 1 |
-= | 右辺を左辺から引いて代入する | a -= 1 | a = a – 1 |
上記のようなステップを繰り返して、最終的に 10より大きくなったら 繰り返し処理を終了しています。
for文を書いてみよう
では、実際にfor文を書いてみましょう。
サンプルコードの「スタート」フォルダの「index.js」を開いてみましょう。
「for文を書いてみよう」と記述がされています。
その真下に、次のように書いてください。
// for文を書いてみよう
for (let i = 0; i < 10; i += 1) {
console.log("こんにちは")
}
for (let i = 0; i < 10; i += 1) {
console.log("おはよう")
}
for (let i = 0; i < 10; i += 1) {
console.log(i)
}
Chromeのコンソールで確認すると、次のように出力されているのが分かります。
10回ずつ実行されているね!
for文を応用してみよう
for文を使って、少し応用してみましょう。
1から10までの合計を求めてそれを変数に代入してみましょう。
同様に、サンプルコードの「スタート」フォルダの「index.js」を開いてみましょう。
「for文を応用してみよう」と記述がされています。
その真下に、次のように書いてください。
// for文を応用してみよう
let total = 0
for (let i = 0; i < 10; i += 1) {
total += i + 1
}
console.log(total)
Chromeのコンソールで確認すると、次のように出力されているのが分かります。
変数「i
」に1を足した結果を変数「total
」に代入しています。
これが10回繰り返されて、最終的に合計値が求められます。
インクリメント演算子
for文の「増分式」には インクリメント演算子 という演算子を使うことがよくあります。
実際に見てみましょう。
for (let i = 0; i < 10; i++) {
console.log("こんにちは")
}
「i++
」に注目してください。
この「++
」がインクリメント演算子です。
これは、次のコードの省略した書き方になります。
i += 1
既存の変数に 1を足してインクリメントする という意味です。
逆に1を引くのを デクリメント と言います。
まとめると、次のようになります。
演算子 | 意味 | 例 | 元の書き方 |
++ | 左辺に1を足して代入する | a++ | a += 1 |
— | 左辺から1を引いて代入する | a– | a -= 1 |
この書き方はよく使うので覚えておこう!
まとめ
本章では、JavaScriptの繰り返し文、for文について学びました。
最後にもう一度、重要なことを確認しましょう。
- 繰り返し文とは、同じ処理を繰り返すための文
- 繰り返し文は効率よくプログラミングするために使う
- JavaScriptの繰り返し文の一つで、for文がある
- for文は、決まった回数だけ処理を実行したいときに使用する
次章は、JavaScriptの配列について解説します。